公衆衛生学

4 環境衛生

6 公害

 公害とは、環境基本法によると、事業活動などの人の活動にともなって、相当範囲にわたる大気汚染、水質汚染、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭によって人の健康、生活環境に被害を生じることとしている。

1 大気汚染

 大気汚染とは、大気中に不純物が多くなる状態で、太陽の紫外線が少なくなつたり、目、鼻、のどなどが刺激されて健康をそこなう。主な原因には、工場、事業場からの煤煙、自動車の排ガスなどがあげられ、大気汚染物質の主なものには、一次汚染物質として窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、大気中の浮遊粉塵があり、二次汚染物質として光化学オキシダントがある。

2 水質汚染

 水質汚染とは、下水や産業排水などが公共用水域に流入することで人の健康に障害を来したり生活環境を悪化させる現象をいいます。水質汚染の原因には、水の冨栄養化、浮遊物質のヘドロ化、温排水によるDO容存酸素量)の減少、化学物質による地下汚染がある。水の汚染度を示す値として、pH、DO、BOD生物化学的酸素要求量)、COD科学的酸素要求量)、SS浮遊物資量)などが用いられる。昭和45年に水質汚濁防止法が制定され、工場、事業場などから排出される汚水、または廃液の規制を行い、水質の汚濁防止を図っており、水道法や環境基本法により対策が講じられている。

3 食物汚染

 食品が有害物質などで汚染されることをいい、ヒ素、水銀、カドミウムなどの重金属、PCB、有機水銀などの化学物質、DDT、BHCなどの残留農薬が食物連鎖や生物濃縮(食物連鎖を経る過程で、有害物質がしだいに濃縮されていくこと)などを起こして危害をもたらします。

4 主な公害病(4大公害病)

水俣病 熊本県、メチル水銀による水質汚染が原因。
第二水俣病 新潟県、新潟水俣病ともいう、原因は水俣病と同じ。
イタイイタイ病 富山県、カドミウムによる水質汚染が原因。
四日市ぜんそく 三重県、大気汚染物質の二酸化L硫黄が原因。

5 地球規模の環境破壊

 かっては公害病が深刻だったが、近年では数々の環境破壊が世界各地で問題となっており、地球規模での環境保全対策が必要となっています。

 オゾン層の破壊

  成層圏にあるオゾン層に、産業活動や家庭で使用されたフロンガスなどにより破壊された穴(オゾンホール)が観測されています。地表に有害な紫外線UV)が到達し、皮膚がんなどが発病しています。

 地球温暖化

  温室効果ガス二酸化炭素など)排出量の増加により、地表の放熱が妨げられ気温が上昇し、異常気象海水面の上昇生態系の変化、食料生産などに地球規模での影響が心配されています。

 酸性雨

  pH5.6以下の雨をいい、大気汚染物質の二酸化硫黄二酸化窒素が上空で水と反応して酸性の雨となる。森林の枯渇などをもたらします。

 国際協力

  地球温暖化防止に関しては京都議定書パリ協定COP21)、オゾン層破の防止に関してはモントリオール協定書が締結されています。